Authors
佐土原健,
Publication date
2001
Publisher
一般社団法人 人工知能学会
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Description
本書は, Vapnik らによって 90 年代初頭に提案された SupportVectorMachine (SVM) と呼ばれる学習機械に関する入門書である. SVM は, 入力空間上の非線形関数の学習を, 高次元の特徴空間上の線形関数の学習により実現する. ナイーブな方法では非効率な高次元空間での学習を, カーネルトリックと呼ばれる手法で効率良く行うことや, 訓練データヘの過度の適応を, 期待損失の上限を最小化することで回避するなどの特徴を備える. SVM は, その登場以来, 理論的に大きな発展を遂げると同時に, テキスト分類, パターン認識, 遺伝情報解析などのさまざまな応用領域に対してその有効性を示してきた. SVM が機械学習やデータマイニングの標準的なツールとして定着し始めるに至り, この分野を学ぶ学生や, SVM を自分の間題に適用したい応用家にとって, 必要な概念や方法を網羅した平明な入門書が必要であるとの認識から本書は書かれている. このような目的に鑑み, 必要な概念を初学者が直観的に把握できるよう, 具体的な例を用いるなどの記述のエ夫がなされている. 一方で, 概念の明確な理解を助ける手段として, 定理の証明は, 平明さを失わない限り厳密に行われている. 一部, 関数解析や統計的学習理論に関する結果などが証明なしに用いられているが, これは本書の性格を考えればむしろ好ましいと思われる. より詳細な証明に興味がある読者は各章の最終節に示された参考文献を参照することができる. ここには, 各章で取り扱う研究テーマの発端から最新の成果に至るまでが, 要な参考文献とともに簡潔にまとめられている. なお, 参考文献を含めた SVM に関するさまざまなリソースは, 本書のホームページ http://枷閲. support-vector. net からアクセスすることができる. 本書は全部で 8 章から構成されており, 各章は以下のような役割を担う. まず 1 章 ‘, TheLearningMethodology" で, 機械学習において克服されるべき問題点と, それに対する SVM の対処法を説 …